「バーチャルオフィス」と聞いてもイメージができない方向けに、用語集を作成しました。
バーチャルオフィスの概要も簡単に理解できるよう作成しましたので、初めてバーチャルオフィスを利用する際にお役立てください。
執筆者：ブイラボ室長いろは
バーチャルオフィス契約4つ目、400店以上のデータを元にバーチャルオフィスを分析。現在ワンストップビジネスセンターを利用中。
宅地建物取引士、不動産大家業、リフォーム業、管理業、仲介業を経験し、様々な角度からバーチャルオフィスを比較検証。
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【評判×分析】ワンストップビジネスセンターの特典・口コミ・サービスを解説 バーチャルオフィスとは住所レンタルサービスのこと
バーチャルオフィスとは、住所だけをレンタルできるサービスです。
これまでは「貸事務所を借りることで住所が使える」というのが一般的でした。
しかし副業が広がるにつれて、自宅で作業ができるため貸事務所をわざわざ借りる必要がない、個人の住所を仕事で使いたくないという人が増え、住所だけを安くレンタルするサービス「バーチャルオフィス」が普及し始めました。
バーチャルオフィスを使うメリット
バーチャルオフィスなら、自宅以外の住所が格安価格で手に入るメリットがあります。
レンタルした住所の使い方の例
- 法人や個人事業主の住所
- 名刺やWebサイト
- ネットショップ販売者情報
バーチャルオフィスでかかるコスト
バーチャルオフィスを利用すると、以下のコストがかかります。
基本的には、住所レンタル料は必ずかかります。
| サービス名 | コスト |
|---|---|
| 住所レンタル料 | 必須 |
| 郵便物受け取り料 | 会社による |
| 郵便物転送 | 会社による |
| 貸し会議室利用料 | 会社による |
| 電話転送など | 会社による |
郵便物の受け取りや貸し会議室利用料は、バーチャルオフィスによってサービスを提供していないこともありますし、金額も異なります。
郵便物が届かないのであれば、「郵便物の受け取り・転送なし」のバーチャルオフィスを選択することで無駄なくサービスを利用できますし、郵便物が届く法人であれば「週1回の郵便物転送込み」といったバーチャルオフィスがおすすめです。
バーチャルオフィス契約後の流れ
バーチャルオフィス契約後にレンタルした住所を名刺やWebサイト、法人住所として利用すると、郵便物がバーチャルオフィスに届きます。
バーチャルオフィス利用中は、主に郵便物のやりとりでバーチャルオフィス運営会社と関わることになります。
一般的には以下の流れで郵便物が指定した住所（自宅など）に転送されます。
シンプルに流れを説明していますが、手元に郵便物が届くまでの3段階に間にも様々なサービスがあります。
1．バーチャルオフィスに郵便物が届く
郵便物がバーチャルオフィスに届くと、以下のようなサービスが用意されています。
- サインが必要な郵便物の代理受け取り（有料の場合あり）
- 郵便物到着通知
バーチャルオフィスによっては、届いた郵便物をお知らせする便利なサービスがあります。
しかしこのサービスは手間がかかるため導入率が低いのが現状です（独自調査では導入率31％）。
2．バーチャルオフィスから郵便物を転送
バーチャルオフィスから指定した住所（自宅など）に転送する際に、費用と転送頻度で様々なパターンがあります。
転送費用のパターン
- 既定のサイズまで転送費無料
- 「1回あたりの手数料」と「重量（g）による送料」
- 転送不可、来店受け取りのみ
転送頻度のパターン
- 週1回や月1回など、定期転送
- 定期転送以外のタイミングで行う即時転送
定期転送以外で急ぎで対応してもらう「即時転送」は、対応していないバーチャルオフィスも多くみられます。
バーチャルオフィス用語集
バーチャルオフィスは「住所だけを借りる」というシンプルなサービスですが、慣れていない人には分かりにくい用語があります。
ここからは、契約から解約までの時系列に沿って、バーチャルオフィス用語を分かりやすく解説します。
【契約】用語一覧
| 最低利用期間 | 初期費用 | 基本料金 |
| 本人確認 | eKYCサービス | 犯罪収益移転防止法 |
| デポジット | 宛名追加 |
【郵便物の受け取り・転送】用語一覧
| 保管期限 | 定期転送 | 即時転送 |
| 来店受け取り | 融解処理 | 差出人 |
| 返品物 | 郵便物の開封 | 受け取り通数制限 |
| 着払い | 郵便物や宅配物の種類 (早見表） |
【電話転送サービス】用語一覧
| 電話転送 | 電話秘書代行 | ナンバー ディスプレイ |
| 専用電話番号 | FAX転送 | |
【その他】用語一覧
| 有人受付 | 社名表示 | 貸し会議室 |
| 私書箱 | 自社ビル運営 | 古物商 |
| 特定商取引法 |
契約
最低利用期間
別詳最低契約期間
バーチャルオフィスを最低限利用しなければいけない期間。
期間満了前に解約しても、残存期間分の金額は戻らないことが多い。
例：最低契約期間が1年間の場合、3か月目で解約しても、残り9か月分の利用料は戻らない。
初期費用
別称 入会費、事務手数料など
契約時にだけ支払う費用。
基本料金
別称 月額利用料
毎月支払う固定費。
基本料金に住所レンタル料だけが含まれる場合や、郵便物転送サービスが含まれるなど、各社によって異なる。
本人確認
バーチャルオフィス契約時に行う本人確認作業。
eKYCサービス
スマートフォンやPCで顔写真や身分証明書を撮影・送信する確認方法。
郵送でのやりとりがないため、オンライン契約が可能。
犯罪収益移転防止法
犯罪収益移転防止法は、犯罪で得た資金が社会に流れ込むのを防ぐための法律。
銀行などの事業者に本人確認や取引記録の保存を義務づけている。
デポジット
バーチャルオフィスへ預けるお金。
預けたお金は郵便物の転送費などに充てられる。
宛名追加
バーチャルオフィス側に登録する個人名や屋号、会社名を追加すること。
バーチャルオフィス側は登録データをもとに、郵便物を受取る。
登録していない宛名で届くと受け取りができない。
郵便物の受け取り・転送
郵便物の転送料金
バーチャルオフィスに届いた郵便物を、指定した住所（自宅など）へ転送する際にかかる費用。
費用の内訳として、転送の手数料や送料（切手代やレターパック代）がある。
郵便物到着通知
バーチャルオフィスに届いた郵便物を通知するサービス。
バーチャルオフィスによっては、詳細（送り主など）も細かく報告するサービスがある。
保管期限
バーチャルオフィスに届いた郵便物の保管期限。
バーチャルオフィスによって期限は異なる。
定期転送
週1回や月1回など、決められたサイクルでの転送。
即時転送
別称 スグ転送/臨時転送
定期転送以外のタイミングで行う転送。
来店受け取り
別称 直接受け取り
バーチャルオフィスに届いた郵便物を郵送ではなく、来店して直接受け取ること。
バーチャルオフィスによっては非対応のケースもある。
融解処理
DMなど不要な郵便物の破棄を指示した後、一般的な焼却処分ではなく専用工場で完全に紙を溶かして処分すること。
導入しているバーチャルオフィスは少ない。
差出人
別称 送り主/荷元/発送者/荷送人
郵便物や宅配物の発送者。
返品物
ネットショップで発送元にバーチャルオフィスの住所を書いた商品が、期限切れや宛先不明でバーチャルオフィスに戻ってきたもの。
郵便物の開封
バーチャルオフィスに届いた郵便物を開封してもらうサービス。
開封した書類をスキャンしてPDFデータ化するため、早く郵便物の内容を確認できる。
受け取り通数制限
バーチャルオフィスに届く郵便物の受け取り数量制限。
数量を超えると別途費用がかかることがある。
着払い
郵便物や宅配物がバーチャルオフィスに到着した際に支払う送料。
郵便物や宅配物の種類
| 項目 | イメージ | 社名 | 受け取り時 のサイン |
|---|---|---|---|
| 定形郵便 （普通郵便） |  | 日本郵便 | ポスト投函 |
| 定形外郵便 （普通郵便） |  | 日本郵便 | ポスト投函 |
| 一般書留 現金書留 簡易書留 |  | 日本郵便 | 受け取り サイン |
| 速達 |  | 日本郵便 | ポスト投函 |
| クリックポスト |  | 日本郵便 | ポスト投函 |
| ゆうメール |  | 日本郵便 | ポスト投函 |
| ゆうパケット |  | 日本郵便 | ポスト投函 |
| ゆうパック |  | 日本郵便 | サイン省略可能 |
| レターパックライト |  | 日本郵便 | ポスト投函 |
| レターパックプラス |  | 日本郵便 | 受け取り サイン |
| ネコポス |  | ヤマト運輸 | ポスト投函 |
| 宅急便コンパクト |  | ヤマト運輸 | サイン省略可能 |
| 宅急便 |  | ヤマト運輸 | サイン省略可能 |
| 飛脚メール便 |  | 佐川急便 | ポスト投函 |
| 飛脚ゆうメール便 |  | 佐川急便 | ポスト投函 |
| 飛脚ゆうパケット便 |  | 佐川急便 | ポスト投函 |
| 飛脚宅急便 |  | 佐川急便 | サイン省略可能 |
電話転送サービス
電話転送
バーチャルオフィスが提供する専用の電話番号にかかってきた電話を、あらかじめ指定した別の電話番号（携帯電話や自宅、スタッフの番号など）に自動で転送する仕組み。
電話逆転送
通常の電話転送とは逆の方向に電話を転送する仕組み。
提供番号
契約者に対して貸与される専用の電話番号のこと。
電話秘書代行
専門のオペレーターが電話応対を行うサービス。
ナンバーディスプレイ
電話の着信時に発信者の電話番号を受信側の電話機に表示するサービスです
専用電話番号
特定の個人や法人に割り当てられた独自の電話番号のこと。
共有番号とは異なり、他の利用者と共用せず、自分専用の番号として自由に利用できる。
FAX転送
受信したFAXを別の宛先に自動で転送するサービス。
紙での受信に加えて、メールやクラウドストレージにPDFとして転送する形式が一般的。
その他
有人受付
別称来客対応/受付常駐/スタッフ常駐
バーチャルオフィスを訪問した方への応対を代行するサービス。
利用者がオフィスに不在の場合でもスタッフがその旨を伝え、訪問者の用件を聞き取り、後ほど利用者に報告する。
社名表示
別称社名掲示/表札掲示
契約者の会社名を、バーチャルオフィスが所在するビルのエントランスや受付、事務所内などに表札やプレートとして掲示するサービス。
貸し会議室
バーチャルオフィスが入居しているビル内に設けられた会議室を、必要に応じて時間単位で利用できるサービス。
ビル外の貸し会議室と連携している場合もある。
（私設）私書箱
郵便局ではなく民間事業者が提供する私書箱サービス。
契約者専用の郵便受けを借りることで、自宅住所を公開せずに郵便物を受け取ることができる。
バーチャルオフィスとは違い、郵便受け取り専用のサービスで、法人登記や貸し会議室の提供をしていない。
自社ビル運営
バーチャルオフィス事業者が自ら所有・管理するビル内でサービスを提供する運営形態のこと。
一般的なレンタルスペースや他社施設を間借りするタイプ（転貸）とは異なる。
古物商
一度使用された物品（＝古物）を仕入れて、販売・貸出・交換などを行う事業者。
特定商取引法
消費者を守るために、訪問販売やネット通販など特定の取引にルールを定めた法律。
ECサイトやオンラインショップも、特定商取引法に基づく表示義務（販売者情報、返品条件など）がある。
バーチャルオフィスに関する疑問・質問
バーチャルオフィスに違法性はない？
住所だけを貸し出す事業自体に違法性はありません。
また、借りた住所を使って法人登記するなど、ビジネスで利用することにも違法性はありません。
バーチャルオフィスの相場は？
バーチャルオフィスは利用できるサービスが増えるほど金額が高くなります。
利用できるサービスと相場の例
- 住所だけ：500円前後
- 住所＋郵便物転送：1,000円～
- 住所＋郵便物転送＋法人登記：3,000円～
バーチャルオフィスに価格差がある理由は？
バーチャルオフィスの価格差の一因として、細かなサービスが基本料金に含まれているか否かが挙げられます。
利用中に発生する費用は、大きく分けて以下の2種類です。
- 基本料金（毎月固定で発生する費用）
- 追加費用（郵便物の受け取り・転送など、利用状況に応じて変動）
最近では、基本料金を低く設定し、細かなサービスに個別課金する形式のバーチャルオフィスが増えています。
たとえば、郵便物の到着通知が月額1,000円など、オプションごとに料金が発生するケースです。
そのため、契約前には費用明細やサービス内容を細かく確認することが重要です。見かけの安さだけで選ぶと、結果的に総額が高くなる可能性があります。
バーチャルオフィスはファンクラブ住所に使える？
多くのバーチャルオフィスは、住所利用目的を事業用に制限しているため、個人的な利用（ファンクラブ住所など）に使うことはできません。
ただし一部のバーチャルオフィスでは、個人的な利用も可能な場合もあります。
こちらの記事が参考になるかと思います。
ファンクラブに家族にバレずに入りたい！解決方法を紹介 バーチャルオフィスは解約するのが難しい？
バーチャルオフィスの解約は、書面など所定の方法で行いますが、手続き自体は難しくありません。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 最低利用期間内の解約でも、支払済みの利用料は返金されない
契約時に定められた最低利用期間中に解約しても、原則として返金はありません。 - 期日までに解約手続きをしないと契約が自動更新される
更新後に途中解約した場合でも、残存期間分の利用料は返金されないため、更新前の手続きが重要です。
バーチャルオフィスに郵便物が届くとどうなる？
バーチャルオフィスに自分宛ての郵便物が届くと、転送可能なプランを利用中であれば指定した住所（自宅など）に転送されます。
【盲点】バーチャルオフィス選びで重要な郵便物の受け取り・転送サービスの注意点 バーチャルオフィスを活用しよう！
ーチャルオフィスは、経費削減と信頼性向上を両立できる最強のツールです。
私は自宅でひとり、パソコンを使って仕事をしています。
その中で常に悩んでいたのが、「Webサイトや名刺に自宅住所を記載するリスク」と、「仕事上の信頼性」とのバランスでした。
しかし、バーチャルオフィスを導入してからは、住所公開の不安から解放され、安心して仕事に集中できるようになりました。
今では、信頼性を保ちながら、思い切って事業を展開できています。
当サイトでは法人向け、個人事業主向け、ネットショップ販売者向けバーチャルオフィスなど様々な利用目的にあわせた比較記事を作成していますので、ぜひご活用ください。
